
帯メーカーが徹底解説! 帯の選び方
- OBI

「きものは着てみたいし、自分だけの一着も欲しいけど、着るのもお手入れも大変そう…。」そんなお声をよく耳にします。けれど実は、基本的な考え方は洋服のお手入れと大きく変わりません。ポイントを押さえれば、思っているほど難しくはないのです。丁寧にお手入れすることで、きものは長く楽しめるもの。まずは基本のポイントを、確認してみましょう。
目次
「きものや帯のお手入れっていつすればいいの?」と迷う方も多いかもしれません。実は、きものや帯のお手入れも、基本的に洋服と同じように考えると分かりやすいです。
・脱いだとき
・着用シーズンが終わったとき
・汚れがついてしまったとき
こうしたタイミングで状態を確認し、必要なお手入れを行うことで、きれいな状態を長く保ちやすくなります。特に汗や小さな汚れは、時間が経つと黄ばみやシミの原因になることもあるため、早めのお手入れが大切です。

きものや帯を脱いだあとにまず行いたいのが、「陰干し」です。短時間の着用でも、汗や湿気、ほこりが付いていることがあるため、しまう前に風を通しておきます。洋服を脱いだあとにハンガーに掛けるように、きものや帯もまずは風を通して整えるイメージです。特に絹製品、金糸などを使った和装品は「数時間の陰干し」で湿気を取ることがポイントです。ただし、木綿やウール、麻など、カジュアルに着ることができる普段着のきものは、過度に気にすることはないものの、絹製品は長時間干し続けるのは避けましょう。直射日光による色焼けや、長時間干すことで生じる生地のたわみ(ふくろ)の原因になる場合があります。また、湿気が多いシーズンには、サーキュレーターや扇風機の弱い風を当てると、 効率的に風を通すことができます。

陰干しのあと、帯を締めた跡やしわなどが気になることがあります。こうしたしわは、整えたくなりますが、高温のアイロンやスチームアイロンは避けた方が良いとされています。その理由は、帯に織り込まれている金銀糸や箔といった繊細な素材が傷んでしまう恐れがあるからです。アイロンをする際は、110℃~130℃くらいの低温に設定し、当て布(無色の綿素材がおすすめ)を使用して優しくかけましょう。
日々のお手入れをしつつ、次にしっかりとケアをしておきたいのが、長期間収納する前のタイミングです。ちょっとしたポイントを押さえておくことで、カビや変色などのトラブルを防ぎやすくなります。
特に絹製品は、湿気の多い所や風通しの悪い環境が苦手です。また、直射日光の当たる場所は避けましょう。保管する際は、きものや帯を平らにたたみ、畳紙(たとうし)などに入れて収納しましょう。

ビニール袋は通気性が悪く、湿気がこもる原因になります。収納の際はビニール袋から出し、畳紙(たとうし)などで収納されることをおすすめします。
におい袋や香水に含まれる成分が、帯に使われている金銀糸や箔と反応し、変色の原因となることがあります。直接帯の上に触れないようにし、また香水も直接かけることは避けましょう。
防虫剤は異なるものを同時に使用すると、化学反応を起こし、変色やシミの原因になることがあります。(京都市産業技術研究所 繊維技術センターの「和装品故障事例集」)2種類以上の使用は避け、和紙に包むなどして、タンスの隅に置いておくのがおすすめです。

帯に織り込まれている金銀糸や箔といった素材と、輪ゴムに含まれる硫黄分が反応し、変色する可能性があります。外した輪ゴムがそのまま紛れ込まないように、収納前に確認しておきましょう。
湿気の多い場所に長期間保管していると、カビが発生する場合があります。そのため、着用していないきものや帯も、定期的に陰干しをするのが大切です。特に「湿気の少ない春と秋の2回、天気の良い日に陰干しをする」のが理想的なタイミングと言われています。

「久々にタンスを開けたら、シミがあった」「外出中に汚れがついてしまった」など、日々のお手入れが抜かりなくても、このようなことは起こり得ます。 その場合は、無理にこすったり、たたいたりしないことが大切です。かえってシミが広がったり、生地を傷めたりする原因になることがあります。きもののシミ抜き専門店では、「そのままの状態で、早めにお持ちください」「何の汚れかわかると対処しやすいです」と案内を受けることが多く、できるだけ触らずに相談するのが基本です。普段着用のきものや帯の中には、ご家庭で洗濯できるものや、ご自身で汚れやシミを落とすことができるものもありますが、絹製品、特に帯に関してはご自身での洗濯や染み抜きは避けた方が安心です。川島織物セルコン製の帯についても、汚れを発見したら、こすったりたたいたりせず、早めにお買い求めの呉服店や百貨店、または洗い張りやシミ抜き専門店にご相談いただくことをおすすめしています。
よくきものをお召しになる方や、扱いに慣れておられる方の中には、「シーズンが終わったらシミや汚れがなくても、悉皆屋さん(クリーニング)に出しますよ」という方も少なくありません。着用後に付いた汗や汚れは、すぐには見えなくても、時間が経つと変色などして現れる場合があるためです。後から染み抜きなどのお手入れに出すと、余計に費用がかかることもあります。とはいえ、「少ししか着ていないのにメンテナンスに出すのは負担が大きい…」と感じる方もいらっしゃるかもしれません。大切なのは、ご自身の着用頻度やライフスタイルに合わせて、無理のない方法を選ぶことです。お手入れのタイミングも含めて、自分にあった付き合い方を見つけていただければと思います。
お手入れのコツを知れば、きものはもっと身近になります。ぜひ、ご自身のペースで着物ライフをスタートさせてみてください。
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