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簡単! 夏休みの自由研究に! 100均の毛糸を使った作品づくりで撚糸(ねんし)の仕組みを学ぼう!

簡単! 夏休みの自由研究に! 100均の毛糸を使った作品づくりで撚糸(ねんし)の仕組みを学ぼう!

もうすぐ待ちに待った夏休み! 子どもたちにとって楽しみでいっぱいのシーズンがやってきます。
今回は、夏休みの大きな宿題「自由研究」のテーマを考えている皆さんへ織物屋からのアイデア提案第4弾として、100円ショップで手に入る材料を使って、糸の作り方を学ぶアイデアを紹介します。

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夏休みの自由研究 糸の「撚り(より)」の仕組みを学ぼう

自由研究は、自分でテーマを決めて自由に取り組むことができる課題です。その課題に対し、お子さん自らが取り組む、とても良い成長の機会になります。しかし、お子さん自身でテーマを見つけ、決めることはなかなか難しいもの・・・。
そこで今回は、自由研究のアイデアの一つとして、ファブリックメーカーの川島織物セルコンから、糸の「撚り」を学び、その撚り糸を使ったスタンプやストラップ、コースターづくりを紹介します。簡単ですので、ぜひお試しください。

こんなところに「糸」は使われています

私たちの生活のまわりにはたくさんの糸があふれています。シャツ、ニットなどの衣服や家にあるカーテン、布団、シーツなどは、糸を使って作られています。このように糸を使って作られた製品を「繊維製品」といいます。また、衣服や家にあるものに限らず、車のシートやテント、傘にも糸(繊維)は使われています。

「撚り」とは

私たちの生活のまわりにあふれている糸ですが、毛糸など身近にある糸を見てみてください。よく見ると、複数の糸がねじれて一本の糸になっています。この複数の糸を1つの糸にすることを「撚り」といいます。そして、糸に撚りをかけること、または撚りをかけた糸のことを「撚糸(ねんし)」といいます。

撚糸をした糸

繊維製品は、製品に合わせて撚られた糸を使って作られています。
実際に糸を撚ってみて、糸がどのようにできているのか学んでいきましょう!

材料は、家にあるもの、100円ショップでそろいます

今回紹介する糸の作り方を学ぶ作品づくりで使用するのは、毛糸や絵の具など、家にあるものや100円ショップで簡単にそろえることができます。また、制作時間も30分~1時間でできます。

糸を撚ってみよう

今回は、糸の撚りの仕組みを学びながら、自分で撚った糸を使ったスタンプやストラップ、コースターの作り方を紹介します。まずは、2本の毛糸を使って実際に糸を撚ってみましょう!

用意するもの

  1. 毛糸(撚りがわかりやすいように2色あるとおすすめです)
    糸の太さは好きなものを用意していただければ良いのですが、なるべく太い毛糸の方が撚りやすいです。
    メーカーによって若干の差異はありますが、並太(1.7番手、1.9番手)がおすすめです。
  2. はさみ
  3. テープ

糸の撚り方

2本の毛糸を使った基本的な糸の撚り方を紹介します。

① 2色の毛糸を約50㎝の長さで、それぞれはさみで切る。
 ※けがをしないように糸を切るときは十分に気をつけましょう。

②テーブルにテープで留める。

③ 毛糸の端を持ち、同じ方向に約100回、くるくるとねじっていく。
 ※テープから外れてしまうため、毛糸を引っ張りすぎないようにしてください。

このままの状態では、手を離すと撚った糸がほどけてしまいます。 そのため、実際の撚糸では、この状態で糸に熱を加えることで形状を安定させます。

手を離すと、写真のように糸がほどけてしまいます。

では、糸がほどけないようにしていきましょう。

④ 撚った糸の端と真ん中を持って下の写真のように半分に折り、 折った方の端を②でとめた端の上に重ね、テープで留める。

⑤ テープで留めた端を外れないように片手で押さえたまま、もう片方の手を離す。糸が縮れたら、真っすぐになるように整える。

⑤ テープを剥がし、端を結んで完成!

撚った糸と元々の毛糸を見比べてみてください。同じように糸同士がねじれて一本の糸になっています。元々の毛糸を少しほどいてみると、複数の糸が撚り合わさっている様子が分かりやすいかもしれません。

撚りをほどいた毛糸

糸の撚り方(動画)

基本の糸の撚り方を動画でも解説しています。

色々な作品を作ってみよう

では、撚った糸を使って、さまざまな作品を作ってみましょう。
今回は、撚った糸を使って簡単にできる作品の一例として「糸スタンプ」「糸ストラップ」「ぐるぐるコースター」の3つの作り方を紹介します。基本の作り方を覚えたら、素材や撚る糸の本数、糸の長さを変えてみたりして、自分なりのオリジナル作品に挑戦してみてください。

糸スタンプ
糸ストラップ
ぐるぐるコースター

糸スタンプ

撚った糸の模様や毛糸の素材感を楽しむことができるスタンプを作ります。

用意するもの

  1. 自分で撚った糸
  2. 絵の具(ポスターカラーやアクリル絵の具がおすすめです)
  3. 両面テープ
  4. 段ボール(約5cm×約15cm)
  5. トレー
  6. はさみ
  7. タンポ(竹串(割りばしなども可)、毛糸、輪ゴム、ガーゼ布)
    スタンプに絵の具を付けるときに使います。

作り方

① 段ボールを写真のように、約5㎝×約15㎝の大きさに切り、端に両面テープを貼る。
 ※カッターナイフを使う場合はカッターボードなどを下に敷き、ケガに十分気を付けて保護者の方と一緒に行ってください。

② 段ボールを三等分に折りたたみ、持ち手の部分を①の両面テープで貼り合わせて、下の写真のように真ん中の面に両面テープを貼る。

③ 両面テープを剥がし、模様を作りながら自分で撚った糸を貼っていく。
  ※今回は糸の素材感がわかりやすいように、ぐるぐる模様にしています。

④ 糸スタンプの完成!

次に、絵の具をスタンプに付ける道具のタンポを作ります。

⑤ 毛糸を指3本分に約20回巻き取ってガーゼ布で包み、真ん中に竹串を立てる。
  ※竹串は先がとがっているため、先端を切り落としてから立ててください。

⑥ 下の写真のように、2カ所を輪ゴムで結んで完成!

スタンプの押し方

① トレーに絵の具を少量出す。

② タンポに絵の具を馴染ませてから、糸スタンプに色を付ける。
 ※絵の具の粘度によって色が付きにくい場合は、水を入れて調整してください。

③ スタンプを押す。
 糸の形が見える面白いスタンプになりました!

糸ストラップ

バッグのアクセサリーやキーホルダーに使えるストラップを作ります。

用意するもの

  1. 自分で撚った糸(3~4本)
  2. キーホルダーパーツ(ボールチェーンなど)

作り方

① 糸を撚る。
 撚り方は先ほど紹介した基本の撚り方と同じですが、撚る長さを短くすると、かわいくできあがります。
 今回紹介する作り方では、最初の糸の長さを約20㎝にして作っています。

② キーホルダーパーツを取り付けて完成!

ぐるぐるコースター

ぐるぐる模様がかわいいコースターを作ります。

用意するもの

  1. 自分で撚った糸
  2. 端切れ(お好きな大きさ、色、柄をご用意ください)
  3. 段ボール
  4. 木工用ボンド

作り方

① 最初の糸の長さを約2~3mにして、基本の撚り方で糸を撚る。
 一人で撚るのが難しい場合は、保護者の方に手伝ってもらいながら撚ってみましょう。

② 撚った糸を段ボールの上に置き、中心からぐるぐる巻いていく。

③ 糸を巻いたら、下の写真のように糸の端を斜めに切り、木工用ボンドでとめる。

④ 端切れの裏に、巻いた糸と同じくらいの大きさで木工用ボンドをつける。

⑤ 形が崩れないように巻いた糸を段ボールから滑らせて、端切れに貼り合わせる。

⑥ ボンドが乾いたら、糸の形に沿って余分な端切れをはさみで切る。

⑦ 完成!

さまざまな方法で作ってみました!

糸スタンプ
糸ストラップ
ぐるぐるコースター

今回は、基本的な糸の撚り方と自分で撚った糸を使って簡単にできる作品づくりを紹介しましたが、工夫次第で自分なりのオリジナル作品を作ることができます。材料は同じでも撚る糸の本数を変えてみたり、毛糸の代わりにリボンや荷造りひもを使ってみたり、今回紹介した作品の作り方を組み合わせてみたりと、自由な発想で楽しく制作しました。
小学生の自由研究として自分自身のオリジナル作品を作ることはもちろん、親子でのおうち時間の楽しみ方としても、おすすめです。

撚糸の豆知識

なぜ糸を撚るの?

私たちの生活に欠かせない衣服などの原材料となる糸ですが、皆さんも実際に糸を撚ってみて糸がどのようにできているのかを体験することができたと思います。

では、なぜ糸には撚りがかけられているのでしょうか。
実は「撚糸」は、糸を使った製品を作るためのとても大切な工程です。糸を作る前の元々の糸(原糸(げんし)といいます)はとても細く、そのままでは糸として使うことができません。そのため、何本かを合わせて使用するのですが、そのままではばらばらになってしまいます。この原糸の束に撚りをかけることで、一本の丈夫な糸として製品に使用することができるようになり、いつも着ているシャツなどの形が簡単に崩れないようにしているのです。

左:撚っていない糸 右:撚った糸

撚糸の歴史は古代までさかのぼります。元々は生地の耐久性を高めるために行われていましたが、現在は技術の発展により、生地の触り心地や伸び縮み、水分の吸いやすさなど、さまざまな機能やデザインの実現にも撚糸の技術は活用されています。例えば、太さの異なる2本の糸を使ったり、一度撚りをかけた糸同士を合わせて一本の糸にするなど、製品によって撚りの強さや方法を変えています。


今回は、100円ショップで手に入る毛糸を使った、糸の「撚り」を学ぶ自由研究のアイデアを紹介しました。
繊維製品の材料となる糸がどのようにできているのか、体験することができたのではないでしょうか。今回紹介した作品の基本的な作り方をマスターすることができたら、材料となる糸を自分なりの撚り方で作ってみたり、身のまわりにあるさまざまな糸がどのように撚ってできているのか観察してみることも楽しいです。
今年の夏休みはぜひ、糸の魅力に触れてみてください。


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