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帯メーカーがお悩み解決! お母さんが押さえておきたい【卒業式 / 入学式】着物のイロハ

帯メーカーがお悩み解決! お母さんが押さえておきたい【卒業式 / 入学式】着物のイロハ

2月も半ば。そろそろ卒業・入学のシーズンがやってきますね。
卒業式や入学式に着物で参加したいなと考えているお母さんに向けて、おすすめのコーディネートや当日押さえておきたいポイントを紹介します。
昨年ご紹介した『帯で変わる卒業式・入学式の着物の装い』では、主役を引き立てる装いや、卒業式・入学式でおすすめの色無地コーディネート、女性の着物の4つの格、などについて記載しています。こちらも是非ご参考になさって下さい。

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卒業式や入学式への出席が決まり、「当日のコーディネートはどうしよう?」とお考えのお母さんもたくさんおられるのではないでしょうか。
もしタンスにあるお手持ちのきものでシーンに合うものがあれば、ぜひお召しいただきたいと思います。今回は「40代のお母さん」をイメージして、訪問着、付け下げ、色無地とそれぞれ川島織物の帯をあわせたのコーディネートを考えてみましたので、ご参考になさってください。

着物を選ぶ時の考え方

近年、着物は、カジュアルダウンとドレスアップを自由に楽しむ傾向にあるので、 着物を選ぶ時の考え方として「こうでなければ」と決めつけることはありません。しかし、“主役を立てる装いを心がける” といった基本と言われる考え方を少し押さえたうえで、ご自身の選択をされる事をお勧めしています。
卒業式・入学式は写真を撮る機会も多いイベントですので、堂々と着物をお召しになれば、後々まで大切な思い出として楽しむことが出来ます。
それでは『40代の母親』におすすめしたい、訪問着・付け下げ・色無地のコーディネートをご紹介しましょう。

40代母親におすすめのコーディネート

前回は色無地に合わせる帯を中心にご紹介しましたが、その他にも卒業式や入学式では訪問着や付け下げを着用される方も多くおられます。
より具体的にイメージをつかんでいただけたら・・・と、例えば40代のお母さんをイメージし、訪問着・付け下げ・色無地にそれぞれ2つの違う帯をコーディネートしてみました。よろしければご参考になさってください。

訪問着のコーディネート
~古典柄のしっかりとした訪問着に、濃地の帯を合わせて重厚感のある装いに~

A :錦袋帯/霞に舞楽菱(かすみにぶがくびし)(濃紫) (きもの・小物は参考品)
B:錦袋帯/瑞鳥唐草文(ずいちょうからくさもん)(白茶)(きもの・小物は参考品)

Aのコーディネートは、朱色の訪問着に濃い紫地の帯を合わせました。小物は着物と帯を調和させるアイテムです。帯締め、帯揚げはそれぞれ着物に描かれている中から取り出した一色で、明るさを取り入れた若葉色のグラデーションと珊瑚色を取り入れました。
濃い地色の帯でメリハリを利かせた装いですが着物、帯、小物の色合いを少しずつリンクさせることで調和のとれたコーディネートに。
Bのコーディネートは、ベースに箔(金)を通した白地の帯を合わせました。淡い色の帯は、全体的に優しい調和を生みます。小物は同じ帯締めですが、帯揚げをさらに淡い色にすることにより、帯で区切らないワントーンコーディネートをイメージしました。

付け下げのコーディネート
~濃地の着物のコーディネートはどこかに暖色の色使いを取り入れて優しい装いに~

A:錦袋帯/天平刀装文(てんぴょうとうそうもん)(銀ネズ) (きもの・小物は参考品)
B:錦袋帯/名物錦(めいぶつにしき)(白茶)(きもの・小物は参考品)
Aのコーディネートは鉄紺色の着物に銀鼠色の袋帯を合わせました。
濃地の着物は着る方の肌を美しく見せます。銀鼠の帯で明るさを足し、暖色系の帯締め、帯揚げで暖かみと優しさをプラスした装いです。
Bはベースに箔(金)を通し華文をデザインした帯を合わせて、すこしモダンな雰囲気のAとは違った、古典的な装いに。

色無地コーディネート
~色無地には古典的な帯を合わせて落ち着いた雰囲気に小物で若々しさをプラス~

A:錦袋帯/雅懐紙(みやびかいし)(白茶) (きもの・小物は参考品)
B:錦袋帯/優彩舞楽菱(ゆうさいぶがくひし)(白茶)(きもの・小物は参考品)

Aのコーディネートはベージュの色無地に平安時代の裂取文様(きれどりもんよう)をあしらった帯を合わせました。帯は穏やかな色調で光りすぎない箔が全体に施され、落ち着いた雰囲気に。小物は紫色の帯揚げ、帯締めは若々しい色合いとしました。
対してBのコーディネートは、合わせた帯の色合いやデザインから同じ着物でもモダンな印象です。帯の地色が白茶なので全体的に明るい雰囲気に。

コーディネートは“調和”がポイント

着物に帯を合わせる際に、どれとどれを合わそうか…、と迷うことが多いかと思います。
ご紹介した6つのコーディネートは主にカラーバランスを考えています。和装は小物も合わせるとパーツが多いのですが、基本的にはご自分の演出したい雰囲気を“色”で調和させると間違いが少ないです。その点は洋服の考え方と同じです。
また少し進んだ調和のポイントとして、“着物や帯のモチーフを合わせる” こともあります。例えば訪問着のコーディネートに登場した朱色の着物には “道長取り” という平安期に由来する雅やかな文様と、唐草が描かれています。それに合わせたAの帯は、同じく舞楽と平安時代の王朝儀式で舞われた舞いの衣装デザインがアレンジされていて、モチーフの時代が近しいものとなっています。
またBの帯は、モチーフの時代を平安期と限定はできず、すこし着物とは描きぶりも変わりますが、唐草が描かれていて、同じモチーフで合わせています。
このように、ご自身の知りえる範囲で結構ですので着物と帯のモチーフについて少し調べておくと、コーディネートのヒントになることもあります。かといって、必ずしもモチーフがぴったりと合っている必要はなく、まずはお手持ちのものの中から、素材や色合わせによって見た目に調和バランスがとれているものを合わせればOK。さらに文様についても少し深めることができれば、着物ならではの楽しみが増えるかもしれませんね。
帯に描かれる文様についても、またいつか詳しくご紹介できればと思っています。

着物のコーディネートの考え方は、ひと昔前に比べると、随分自由になってきました。『 帯で変わる卒業式・入学式の着物の装い 』でもご紹介した通り、セレモニーに参列するときには “主役を引き立てる装いを心がける” という基本的な考え方を押さえておけば、小物などでアレンジを加え、自分の個性を表現することは十分可能です。
今回ご紹介したコーディネートは、あくまでも一例です。合わせる際の参考にしていただき、ご自分のお着物コーディネートを是非、お楽しみ下さい。

どんな準備が必要?
~準備からメンテナンスまで~

初めて式に参列されるお母さんは、「着物の準備と言っても何をすればいいの?」と思われるのではないでしょうか。
ここでは、準備から当日の流れまで簡単にご紹介します。

必要なものを確認

普段、着物を着慣れない方は特に、当日着る事に専念するためにも前日までの準備はとても大事です。余裕をもって準備をすることをお勧めします。足りていないものがあれば、補充しておきましょう。
こちらから準備リストがダウンロードできますのでご参考になさってください。また不足が無くても、それぞれの準備物の状態を確認しておくといいでしょう。

ダウンロードはこちらから

▼たとえば・・・

  • 半衿は襦袢に縫い付けられていますか? 前回お召しになったままで、以前は気づかなかったシミや汚れがあるかもしれません。汚れていて替えがきくようであれば新しいものに付け替えるか、お洗濯をしてお付けになるのがおすすめです。
  • しつけ糸はとられていますか? 新品の場合は袖や裾に糸がついています。予めとっておきましょう。
  • 足袋などに汚れはありませんか? 靴下ほど多用する物ではないですが、やはり消耗品です。穴が開いていないか、パーツが取れかかったりしていないかなどご確認下さい。

前日にこれらの準備物を着る順番にセットしておくのも、着付けに手間取らないポイントです。
ちなみに…

▼あると便利なグッズを紹介します。

  • 大判ハンカチ
    • 着物姿でお食事をされたりする時に、ひざ上に置いたり衿元をカバーしたりと活躍するのが大判のハンカチや手ぬぐいです。一つ、かばんに忍ばせておくと便利ですよ。
  • 天気対策グッズ
    • 雨対策グッズとしては草履(ぞうり)をすっぽりカバーする『草履カバー』や、つま先部分だけカバーできる取り外しが簡単なカバーなどが市販されています。また、雨用コートはなくても『超撥水風呂敷』などがあると腰回りのカバーが出来ます。いつもより大きめの『折りたたみ傘』も心強いアイテムです。
  • ショールなど防寒できるもの
    • 体育館での式典などの場合は、あると便利です。

メイク / ヘアセット

いよいよ当日です。
着物を着慣れない場合は着物を着てからのメイクやヘアセットは袖を気にしながらになりますし、スプレーなどを着てからかけるとシミや黄変の原因となります。 着物のためにも、まずは着物を着る前にメイクとヘアセットを行いましょう。
着物のヘアセットはできるだけすっきりまとめるのがポイント。特に後頭部は後れ毛防止を心がけてすっきりとまとめ、ゴムやヘアピンはなるべく隠すと美しくなります。

着物を着る

メイクとヘアセットが終わったらいよいよ着付けです。
着付けを依頼される場合は準備等お任せですが、自分で着られる場合は前日に準備をしておいて、順番に着ていきましょう。時間には余裕をもっておきましょう。

式に出席・・・所作に気を付けて

着物を着ての参列は華やかで注目を集めます。着物は素敵に着られていてもいつも通りの所作でうっかり…。ということが無いように少しポイントがあります。ご参考になさってくださいね。
▼所作のポイント

  • 車に乗り込むとき
    • 頭から入らずにまず座席に腰を下ろしましょう。そのあとで頭、足と車内に入れてから、座席には浅めに腰掛けると帯がぺちゃんこにならずに済みます。
    • 裾は踏まないよう、注意しておきます。
  • 電車の場合
    • 吊革を握るとき肘を出さないように袖に手を添えておくと上品です。袖口あたりを手で押さえておくといいですね。
  • 化粧室では
    • 帯のタレ部分が上がっていないか確認してください。
    • 手を洗うときなど、袖を帯に挟むか、クリップ(洗濯ばさみ)等で帯にとめると袖が汚れるのを防げます。
  • 草履を脱ぐ会場では
    • スリッパなどに履き替える会場では、草履を入れる袋の用意があると安心ですね。
    • 履物を紛失しないように、ご自身の目印をつけておくと良いかもしれません。

お着替え後

一日お疲れ様でした。式に出席しご自宅に戻られたら、着物にたまった湿気を数時間干して飛ばしましょう。特に絹物の着物は湿気が大敵。年に数回の虫干しは湿気をとるために欠かせませんが、一日着た後の着物もその日のうちに湿気をとっておくと後のメンテナンスが楽です。
一晩以上干してしまうと、着物の裾に「袋」と呼ばれるたるみが出てしまう事ももありますので、数時間で大丈夫です。

メンテナンス

後日でよいので、1日活躍してくれた着物をメンテナンスしてあげましょう。
まずは全体に汚れがついていないかチェックしましょう。埃などがついている場合もありますので、柔らかいブラシでなでてあげるのも〇。
シミや汚れを見つけたら、プロにお任せするのがポイントです。着物のクリーニングができる専門店に相談しましょう。洋服のクリーニング店では扱っていない場合もあるのでお問合せ下さい。

卒業式と入学式で着物を着る際のご参考になりましたでしょうか?
特別な日の着物体験、どうぞ楽しくお過ごしください。
また、今回ご紹介した参列の流れ、着物の準備リストや所作のポイントなどは、入学式・卒業式に限らず結婚式等で着物をお召しになる際にもお使いいただけますので、ご参考になさってください。

ご案内

ご意見・ご感想募集中!

今後も和装に関わるメーカーとして、着物を通じた体験のお手伝いができればと考えています。「こんなことが知りたい!」というご要望や、ご意見・ご感想などがございましたら、是非、お寄せください。
また、帯に関するお困りごとにつきましても、ご相談をお受けいたします。
下記よりお問い合わせください。

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