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単衣(ひとえ)の着物で楽しむ初夏の京都 ~干菓子作りとお抹茶体験~

単衣(ひとえ)の着物で楽しむ初夏の京都 ~干菓子作りとお抹茶体験~

今回は、初夏を過ごすのにぴったりなコーディネートで、京都の和文化体験レポートです。夏に向けて暑くなっていく6月ですが、少し涼やかさも取り入れ着物をお召しいただきたいと考えています。お干菓子づくりの体験記と共に、カジュアルゾーンのなごや帯ブランド「結(ゆい)」の帯を使ったコーディネートを紹介します。
(撮影は緊急事態宣言前に実施しています。)

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6月も着物で過ごしてみませんか

今年は梅雨入りも早く、夏に向かい気温も上がってきました。街の緑も濃くなり、着物コーディネートを考える時にも自然と涼しげな色を足したくなるのはとっても不思議。改めて私たちが ”四季” にとても影響を受けて過ごしていることを実感します。6月も、季節感を大事にしながらきものを選んでいきたいものです。
今回は、初夏を過ごすのにぴったりなコーディネートでの、京都 和文化体験のレポートです。

お干菓子とお抹茶作り体験

日々、きものを着て出かける場所を探している「結」担当のメンバー。
前回の 帯留めづくり とは趣を変え、今度はお菓子好きのAが「きものを着て京都らしいお菓子を作ってみたい!」と思い立ち、京都へお出かけ。さて、どんな発見があるのでしょうか。

しっかり説明を受けてからスタート
さて、今回私達が伺ったのは、日本文化体験ができる「庵an」。
感染対策ばっちりのインストラクターの方から体験の概要を伺った後、さっそく下準備に入ります。テーブルにはすでに道具が準備されています。ラップフィルムに包まれているのが「和三盆」だそう。

左が裏こし器、右はそば打ちに使うようなこね鉢。

干菓子の材料となる和三盆は100%。ほろっとしたくちどけが楽しめ、苦みのあるお抹茶と優しい甘さの相性が抜群なのだそうです。あぁ、早く食べたい!

木型を選び、和三盆をこしていきます
いくつかの素敵な型の中から1つ自分の好きな型を選ばせて頂けます。型によって少しずつ必要な和三盆の量が違い、多いほうが少し崩れやすいので技術が必要だそうです。どれが大きいかわからなかったので、気に入った蝶の形を選びました。他のメンバーは桜や松などを選びました。
次に、こね鉢のなかに和三盆を入れ、霧吹きで水分を少しずつ足しながら、和三盆をこねていきます。

水の混ぜ具合はインストラクターに「こんな感じですか?」と聞きながら。次に裏ごしをします。
きものを着て体験をするときのポイントは、いつもより少し袖を意識すること。せっかくだから、おしとやかな所作を心がけてみるのもいいかもしれませんね。

木型に入れて指で押し込む
選んだそれぞれの木型に、そっと先ほどこした和三盆を入れていきます。手で押し込むので、木型に山盛りになっても大丈夫。

手袋をした手でぎゅうぎゅうと押し込んでいきます。この時ふたは外さないように気を付け、しっかりと指で和三盆を型に押し込んでいきます。
いよいよ干菓子の完成!
余分な和三盆を木ヘラで落としたら、いよいよ、木型から外します。
ひっくり返して、蓋を取ると、じゃーん!しっかり蝶の形になっています!

抹茶を挽いてみよう
干菓子ができたところで挽き茶の体験です。
今回使うのは、京都・宇治の農園で育てられたブレンドされていないシングルオリジンのお抹茶だそうです。体験用の少し小さな石臼を使って挽きました。
体験用とはいえ、結構重くてびっくり。

そして5分程度挽いてみたのですが・・・

あれ、少ない・・・。そうなんです。自分の力だけではこれくらいしか挽けないことを実感。
もっと飲みたい!と3服も4服もいただいていてごめんなさい。お抹茶の貴重さが身に沁みました。
自分でひいたものに、すでに用意してあるお抹茶を足して頂きます。

お抹茶を点ててみよう
お盆の上で、茶筅(ちゃせん)というブラシのような道具を使ってお茶とお湯を混ぜていきます。
シャカシャカと音を立てていると、お茶のみずみずしい香りが・・・。

自分で点てたお茶と、ほんのり甘い干菓子で一息。きもので和の体験を堪能しました。
このほかにも、こちら 庵an さんでは舞妓さんの舞と交流を楽しむコースや、さらに本格的な生菓子づくりを体験するコースもあり、どれもきもので参加するとより楽しめそうです。

6月の着物とは?
コーディネートの考え方とポイント

体験の際に着用したのは単衣(ひとえ)仕立ての木綿素材のきもの。今回はブルーの格子柄を選びました。夏日が多くなってくる6月には見た目も涼やかな色が素敵に感じます。
合わせた帯は結の SOUVENIOR。シャリ感のある素材を用いた九寸なごや帯です。帯締めは黄色を効かせて爽やかな色の中にアクセントを付けました。

単衣(ひとえ)とは? 仕立て方のこと

さて、「きものには、季節のルールが色々とありますよね?」「自由に選んでも大丈夫なの?」というご質問は年間を通していただくのですが、この時期特有のご質問は「単衣ってなに? いつ着るの?」というお悩みです。
というわけで、ここで改めて「単衣(ひとえ)」についてのおはなしを。

「単衣(ひとえ)」とは、仕立て方のこと。単衣仕立ての着物が「単衣」と呼ばれています。
洋服も着物も、寒ければ重ね着に、暑ければ薄着に・・・ということは同じで、例えば洋服のジャケットは、全体に裏地が縫い付けられた総裏のもの、背中部分の半分~3/4ほど裏地がない背抜きといわれるものがあるように(最近はもっと様々な種類がありますが)、きものも表地と裏地を合わせて仕立てる袷(あわせ)仕立てと、表地だけの一枚仕立て、単衣(ひとえ)仕立てがあります。

左: 袷仕立て 黒っぽい表地にエンジ色の裏地が付いています(肩から腰にかけての白い生地は胴裏という裏地です)
右:単衣仕立て(このきものには居敷あてはついていません)
  • ※単衣の場合、 「肩すべり」や「居敷あて」など 部分的に別の生地を当てて仕立てるものもあります。これは補強のためや滑りをよくするためにつけるものです。
    • 肩すべり / 着るときにすべり良くはおりやすいように、また補強のために肩部分につける別生地のこと
    • 居敷あて / 補強と透け防止のために、単衣着物の腰回り(主にヒップ周辺)につける別生地のこと

単衣を着る時期は、6月と9月 でも、とらわれすぎないで!

単衣を着る時期は、いわゆる ”着物ルール” では「単衣は6月と9月に着用するものです」 と書かれていることが多いです。しかし最近では、4月でも末頃には気温が25度を超える日があったりと、着物のルールができたころの季節感や温度と今は状況がずいぶん違ってきていますので、ルールとはいえ、我慢して快適に着物が着られなかったり、きものを着ることが億劫になってしまってはとても残念です。普段のお出かけで楽しむときは、あまりルールにとらわれすぎず、その時の体感でお召しになる着物を選んで頂けたらと思います。(お茶席などのあらたまったシーンや、お出かけ先のお相手や場所などで約束事がある場合は、詳しい方と相談してみて下さいね。)

というわけで、路地の植木も緑がきれいなこのシーズン、木綿の単衣をチョイスしました。木綿は通年単衣仕立てが多く、年中着られることが多いですが、生地の厚みによって体感の暑さは変わりますので、長襦袢や下着を変えることで調整するのが良いと思います。
皆さんも、ぜひ 季節ごとのおしゃれを楽しんでください。

旅の思いでを集めた帯「SOUVENIOR」

今回、コーディネートした帯は、世界の切手からデザインをイメージした「 SOUVENIOR 」。横段に構成された切手のような模様の一つ一つが、旅で集めた“思いでのかけら”を表しています。
紗の変化組織を用いて単衣時期に適したシャリ感を出しています。柄の部分には箔糸をミックスして使用し、可愛らしさが引き立つようにしました。

左:SOUVENIOR(白)/ 結
右:SOUVENIOR(淡ブルー)/ 結

そしてもうひとつ、花や車などの可愛らしいモチーフを鉛筆描きのような柔らかい描きぶりで表現した「MERCI」も単衣の着物に締めていただきたい帯です。

左:MERCI(淡グリーン)/ 結
右:MERCI(淡ピンク)/ 結

川島織物なごや帯ブランド 結(ゆい)

結(ゆい)  
普段着からちょっとしたパーティーまで気軽にきものを楽しむ女性に向けて提案するなごや帯ブランド。軽くて締めやすいなごや帯を “自分らしく” “個性や感性を生かして” コーディネートを楽しんでもらいたいという思いで製作したカジュアルラインです。

結 ブランドサイト

結 公式Instagram 
おうちきものや半幅帯の結び方などもアップしています

ご案内

体験のご紹介

日本文化体験 庵an 
 Web:https://www.kyoto-matcha-maiko.com/
 Instagram:https://www.instagram.com/kyoto_matcha_maiko/
 住所:京都市下京区万寿寺町135 ベルク烏丸2F
※新型コロナウィルス感染拡大に伴い営業時間等の変更の場合がありますので、詳細はホームページをご確認ください。

ご意見・ご感想募集中!

最後までお読みいただきありがとうございました。
今後も、きものを着て出かける場所のご提案や着物にまつわる手作り小物などをご紹介していきたいと考えています。
また、「こんなことが知りたい!」というご要望やご感想などがございましたら、是非、お寄せください。

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ゆかたの事だけでなく、時間内でしたら、きものに関するご相談も承ります。
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