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織物ができるまで 1 デザイン画をつくる

織物ができるまで 1 デザイン画をつくる

突然ですが『織物』とはどのような物かご存知でしょうか? 織物とは、タテ方向の糸とヨコ方向の糸を交差させることでできる一枚の布です。つまり、織物は糸でできているのです。
織物が出来るまでを5回にわたって紹介します。

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織物は、私たちの身近な製品にたくさん使われています。例えば、衣服や寝具、ハンカチ・カバンなどの日用品などいたるところで使用されています。当社が作っている窓のカーテン、劇場の舞台に掛けられる緞帳(どんちょう)、きものの帯も織物です。

デザイン画

手描きのデザイン(左)とパソコンで作成したデザイン(右)

このきれいな絵は、織物のデザイン画です。このような一枚の美しい画から、カーテン、緞帳、帯といった織物が生まれます。この繊細な画を、タテ糸とヨコ糸の交わりで一枚の布に描きだしているのが、織物なのです。
では、この美しい画はどのようにして糸で表現される・・・織物として生まれ変わるのでしょうか。
” 織物ができるまで ” を5回にわたってご紹介します。

さまざまな制限をクリアして作り上げる織物デザイン

織物をつくるには、まず始めに、デザインを作成します。どのような織物にするかを考える工程です。製品の企画に応じて、織物のデザインを考えます。

例えば織物の用途や、その時代の流れ、今後の流行を予見してデザインします。また緞帳や祭礼幕では、お客様のご要望や、その土地の歴史などもデザインに盛り込むこともあります。また、長いモノづくりの歴史のなかで蓄積してきた技術を活用したり、染織品(せんしょくひん)に関わる約16万点の資料を所蔵する国内最古の企業博物館「川島織物文化館」の資料を参考にすることもあります。もしかすると、ご覧になったことがある展示品が、他の製品やデザインに姿を変えていることもあるかもしれません。

そして他の製品のデザインと大きく異なるのが、織物にするためには様々な制限があるので、その制限の中でデザインを考えなければならないということです。例えば、織物の用途や種類によって、使える色の数に制限があったり、織物に向くデザインと向かないデザイン(いわゆる「織物映え」ですね)があったりするのです。
このように、作る織物の用途に合わせ、過去の経験や資料なども参考にしながら、今の流行や未来を見据えてデザインをしていきます。

デザインはデジタルと手描きで

デザイン画の作成は、デジタルと手描きを使い分けています。
例えば、スタンプを押すように同じ模様を繰り返すデザインや、円や楕円、直線や三角形、四角形などを組み合わせて作ったような抽象的なデザインのときには、パソコンを用いてデジタルで行います。

一方、手描きは、金箔や銀箔などを使用し、金銀特有の光沢を表現したい時や、デジタルでは表現できない筆遣いを表現したいときに行っています。
また、筆で描いたものをパソコンに取り込み、デジタルデータとして加工するという、 デジタルと手描きを組み合わせた方法を使用することもあります。

このようにして出来上がった一枚の画が、織物となっていくのです。

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