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思いをかたちに ヘラルボニーとの出会い

思いをかたちに ヘラルボニーとの出会い

福祉実験ユニット・株式会社ヘラルボニーとコラボレーションし、ヘラルボニーのブランド「HERALBONY」より発売されるライフスタイル製品のファブリックを製作することになりました。

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異彩をインテリアとしてお届けする
ヘラルボニーと出会って考えたインテリアの形

冒頭から身内の話で恐縮だが、当社社長の木村は、お客様や従業員と話す際、明るく丁寧に話す。暗く感情的になることは殆ど無い(もちろん経営幹部は時にキツク叱られているのだが)。そんな木村がいつもとはちょっと違う、悩んでいるわけではなさそうなものの、神妙な顔をしていた。

左:アート制作の現場を見学する川島織物セルコン社長の木村(左)と、ヘラルボニーの松井様(右)
右:アート制作の様子

そうか、人は深く感動するとこういう反応をする場合もあるのだ・・・!
その日、木村は株式会社ヘラルボニーの紹介で、知的障害のある方々がアートの制作を行っているアトリエを訪問していた。当社は事業の関係から多くのクリエイターとお話をさせていただけることもあるので、芸術に触れる機会はある。つまり、このアトリエ訪問での体感は、今までのアートとの出会いとは異なる、はじめての衝撃だったらしい。

「感性をいかに織物で表現するか」 織物屋の真剣勝負

ヘラルボニーは、「異彩を、放て。」をミッションに掲げ、障害のある作家が描くアートの神髄を見出し、福祉を起点に新しい文化創造を目指す企業である。要約すると、障害のある作家が描いたアートを商品化して販売し、販売価格の数パーセントをライセンスフィーとしてアーティストに還元するというビジネスだ。そしてこれは慈善事業ではなくビジネスであることがポイント。
今まで、ネクタイやTシャツ、エコバックなどアパレル商品を中心に手掛けてこられたが、今般、ライフスタイル分野への進出を決められたにあたり、当社にお声掛けを頂いた。

今回、製作したのは、「ソファ」「チェア」「スツール」」「クッション」に用いられるファブリック。作家の思いや筆運びまで再現できるよう、試行錯誤を重ねた。
ヘラルボニーから提供されたデザイン(作品は)はとても力強い。クッションやソファにする際、作品のどの部分をどのくらいの縮尺で用いると、その力強さが一番いい具合に発揮されるのか? また、どれくらいの色味で柄を表現するのが良いのか? どのくらいの細かさにすると、筆使いまで感じられるのか?

様々なファブリックを試作した

画の描かれた紙やキャンバスと、ソファやクッションにする布地は凹凸が異なるので、そのまま“コピペ”というわけにもいかない。
川島織物セルコンのデザイナーは、「感性をいかに織物で表現するか」に真っ向から勝負し、トライ&エラーを繰り返す。しかしそれは同時に、織物屋としてのモチベーションが上がる時でもある。
何度も試作検討を繰り返し、ファブリックは完成にこぎつけた。

そうして、ソファやチェア、クッションが無事に出来上がった。
完成した商品は、応援購入サービス「Makuake」にて販売されている。

ART-SOFA ONE-SEATER 他

このようなヘラルボニーの事業に、メッセージを贈らせていただいた。

ヘラルボニー様との作品製作にあたり、作家の皆さんの迫力を直接感じたいと願い、アトリエの訪問が実現しました。皆さんが制作されるデザイン・色には「個性ある彩(いろどり)」がありました。また言葉では言い尽くせない力強さと繊細さ、そして自由な発想が「放たれて」いました。作品に向き合う皆さんの熱意を肌で感じ「異彩を、放て。」を実感することが出来ました。我々メーカーに何が出来るのか? 我々の使命は、皆さんの作品を忠実に再現し多くの方に届けることと考え、メーカーの意地をかけて取り組みました。
作家とメーカーの真剣勝負は始まったばかり。この才能あふれる作品で多くの空間を埋め尽くしていけるよう、共に切磋琢磨していきましょう!

川島織物セルコン 取締役社長 木村弘一

モノづくりへの熱い思いに共感
ヘラルボニーのみなさまに伺いました。

◆株式会社ヘラルボニー 代表取締役副社長     松田文登様
            アカウントマネージャー  泉 雄太様
            ライフスタイルデザイナー 松井大輝様
 

左より 泉様、松田様、松井様

― 工場を見学し、ここで作りたいと思いました。

川島織物セルコン様との出会いは、私たちからお送りした一本のメールから始まりました。
当時は今よりももっと小さく知名度の無い私たちの話に耳を傾けてくださり、そして熱い思いで反応してくださったのが川島織物セルコン様でした。
あれから2年が経ち、今こうして大きな一歩をご一緒させていただけていること、とても嬉しく思っております。
私たちヘラルボニーは今回、身に纏うアパレル製品から一歩踏み出して、暮らしの中にあるライフスタイル製品を生み出しました。
私たちの伝えたいアートや思いを、ずっと長く使ってもらいたい。それを叶えるためには物としてのクオリティは譲れないところでした。初めて工場を見学させていただいた際、モノづくりに対する姿勢や品質を直に感じて、「ここで作りたい。」そう強く思いました。
そして今、作家の皆さんのアートがファブリックで彩られ、世に放たれます。
思いをかたちに。これからも素敵なものづくりをご一緒させてください!

株式会社ヘラルボニー 松田文登 泉雄太 松井大輝

川島織物セルコン 本社 市原事業所にて


■Makuake
ヘラルボニー、異彩の作家、日本の職人が手がける新たなライフスタイルブランド (2022年3月31日まで)

■プレスリリース
福祉実験ユニット「ヘラルボニー」とコラボレーション
ライフスタイルブランド「HERALBONY」のファブリック製作

■株式会社ヘラルボニー
「異彩を、 放て。」をミッションに、 福祉を起点に新たな文化を創ることを目指す福祉実験ユニット。
会社名:株式会社ヘラルボニー / HERALBONY Co.,Ltd.
所在地:岩手県盛岡市開運橋通2-38
公式サイト:https://www.heralbony.jp / https://www.heralbony.com

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