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綴織

綴織の発祥は古代バビロンであろうという説があるように、その織法はずいぶん古代からあったと見なされています。織物として残っているものでもエジプトのコプト織(紀元前1,300年頃)、中国の漢代、南米ペルーのプレ・インカ(チャンカイ文化)など古くから世界各地に広がっていたことがうかがえます。

組織そのものは経糸と横糸が1:1の割合で織り上げる単純な畦組織ですが、爪織といわれるように、細い横糸を一色一色爪先でかき寄せて柄を作り上げる、という気の遠くなるような根気と、技術、芸術的資質が、製織者に要求されます。

織り方は経糸の下に図案(織下絵)をおき、経糸と緯糸の隙間から見える下絵の形にしたがって杼(ひ)ですくいながら、あたかも絵を書くように織り込んでいきます。ふだん織り手には織物の裏側しか見えないため、下絵と経糸の間に鏡を挿し込んで織り上がり具合を確認しながらの作業となります。
綴織は手作業で柄を表現する緯糸を織り込むため、糸の色数に機械的な制限が無く、柄のボカシやグラデーションを色の段差無く美しく表現できるのが特徴です。組織的には、異なった色と色の境目には経糸にそって隙間(ハツリ孔と呼ばれている)ができる特徴を持っています。また、無地の部分を除いて一幅中に通る横糸がないのも特徴となっています。
柄の細かさは単位巾における経糸の本数によって決まり、一般的には1寸当りの経糸の本数から60枚(60本/寸)・50枚・40枚・20枚・10枚・8枚・5枚があり、枚数が多いほどより繊細で細かな柄表現が出来ますが、より高い製織技術と製作日数が掛かります。

綴織は完全手作りのため、1点の製作に熟練者が、数ヶ月以上の日数をかけて織り上げる事もあり、どうしても高価なものとなりますが、一品生産のため色合い、柄等すべてを忠実に再現することが出来ます。

 

 

長く伸ばした爪に、経糸の間隔に合せてノコギリ状にヤスリを当て、 その爪先で緯糸をかき寄せ織り上げます。綴織を「爪織」と呼ぶのはこのためです。

鳥 居(とりい)
鳥居の形をしている。綜絖をつり下げるためのもの。

 框 (かまち)
筬をはめ固定する。筬はうすい竹を組み合わせてあり、繊細なもの。それをガッチリ固定する。

 筬 (おさ)
うすくそいだ竹の表面部分を、規則正しく並べて、経糸の疎密をそろえる。

綜 絖(そうこう)
経糸を一本おき、二本おき、等引き下げて、組織を作ってゆく。

千 巻(ちまき)
織り上がってゆく反物を、順次巻き上げてゆく。

織り前(おりまえ)
織りはこの位置で、いくらか織れると巻き取る。

踏み木(ふみぎ)
綜絖を引き下げるため、足で操作する。組織によっては何本にも増える。

千 切(ちきり)
これから織ろうとする経糸を巻いておく。千切りの歯車を栓で止めて、千巻を引きしぼり張力をつける。

ケン棒(けんぼう)
経糸に張力を与えるために、強くテコの原理で引き締める。ギア−を使ったものもある。