さまざまな文化や時代において、多様な意味を持つ稀有な色“黒” 「∞黒(エンドレスブラック)」展開催 川島織物文化館
株式会社川島織物セルコン(本社:京都市左京区 社長:光岡 朗)は、本社市原事業所内の川島織物文化館で、黒をテーマとした企画展「∞黒(エンドレスブラック)」を2025年12月1日(月)から2026年10月30日(金)まで開催します。

さまざまな文化や時代において、多様な意味を持つ稀有な色「黒」。重厚・静謐・荘厳・神秘―多様な印象を与えながらも、他の色を引き立て、全体を調和させる不思議な力を持ちます。日本では、礼服に用いられる黒は「黒ければ黒いほど美しい」とされ、より“美しい黒”が追い求められてきました。また、ファッション界ではいつの時代もブラックコーディネートが人気であるように、黒は古くより多くの人々を魅了してきました。
本展では、明治から現代に至る作品・資料などを、黒で表現されたデザイン、そして現代に受け継がれる黒の表現まで、3章構成で展示し、染織の中で息づく黒の魅力を紹介します。
■見どころ
黒い染織品は、多くの場合、材料となる糸や布を黒く染め上げて製作されます。また、染織における「黒」は、地(ベース)として用いられることもあれば、文様やデザインとしても重要な役割を果たすことがあります。
本展では、まず黒い染織品の製作に欠かせない「黒の色見本」や「見本裂」などの資料を紹介し、黒であることに意味が込められた黒留袖も展示します。さらに、当社が明治から昭和初期にかけて手がけた、黒を用いた帯のデザイン画や製織サンプル、そして黒の魅力を際立たせた現代のファブリックも紹介します。
■展示概要
1章 黒のモト・カタチ
染織品は、材料である糸を目的の色に染めてその糸を織り上げたり、織った生地を染め上げるなど、さまざまな工程を経て製作されますが、素材によって染まり方が異なったり、織ると見え方が変化する場合もあり、「色見本」「裂地見本」が重要な役割を果たします。
川島織物セルコンでは、初代・二代川島甚兵衞の時代から、多様な糸や裂地などを収集し、より魅力的なファブリックの製作に活かしてきました。本章では、国内外から集めた収集品の中から、黒に関わる色見本や裂地見本を紹介します。また、「黒」色であることが必要である黒留袖や、黒をデザインとして表現した小袖など、形となった黒も展示します。

右:小袖「雪輪梅模様」(江戸初期)
2章 黒を織る
当社が創業間もないころより製作してきた染織品のなかにも、「黒」が使われたものがあります。黒い染織品を製作するための色見本や見本裂、デザイン画など、製作資料の一端を紹介します。
さらに、明治後期から昭和初期に製作した帯地の織見本の中から、黒を用いた約40点を一堂に展示します。

右:帯地正絵「段変り幾何学」(昭和期)
3章 黒で魅せる
美しい色を組み合わせ、多色で豪華であることが特徴の一つである西陣織。川島織物セルコンは2024年のミラノデザインウィークで、あえてそこから色を取り去り、黒一色でファブリックの魅力を表現した「百の黒」を発表しました。本章では、「百の黒」よりその一部を紹介します。

右:百の黒「I-01」(2024)
■企画展「∞黒(エンドレスブラック)」
| 会期 | 2025年12月1日(月)~2026年10月30日(金) |
| 会場 | 川島織物文化館 |
| 休館日 | 土・日・祝祭日、夏期、年末年始 (川島織物セルコン休業日) |
| 入館料 | 無料 |
| 見学予約 | ※ご見学は事前予約制です。 見学をご希望の方は、あらかじめインターネットでのご予約をお願いします。 詳細は 川島織物文化館ホームページ をご確認ください。 |
| その他 | 企画展「∞黒(エンドレスブラック)」チラシ |