WOVEN

WOVEN

170余年の歴史を持つ川島織物セルコンの織物は、日本古来の伝統的な手織り技術と現代の機械織り技術を併せ持つことが特徴です。170年余年にわたり受け継いできた技術を活かし、本企画はその中から日本の伝統的な西陣織の技術4種類、とジャカード織り1種類の合計5種類の技術で織物を製作しました。

・伝統的な西陣織の技術(4種類)=「四神」のモチーフ
「四神」それぞれの特徴を生かせるよう、伝統的な西陣織の技術を採用しながらも、現代的な素材も取り入れ、ときには10㎠を織るのに丸一日かけ織りの技術者が精魂込めて時間をかけて製作した4種類の織物が完成しました。

・ジャカード織(1種類・4柄)= 京都の風景を想起させる8つのオブジェ
見る角度や光の当たり方によって見え方が変わる特殊な素材(多層構造の光彩フィルム)を用いた織物で、美しく印象的なグラデーションを求めて何度も試作を重ねて製作しました。4種類全てジャカード織機で織っています。

織物がある空間に身を置き、織物の多彩で豊かな表情を感じてください。

SEIRYU
青龍:唐織
唐織 - 青龍 / 東
日本の伝統芸能の“能”で使用される衣装に多く用いられる「唐織」という技術を使用した、ジャカード織物の1つです。

青龍の勇ましさを、豪華な重厚感が出るように表現しました。
色を多数用い、織組織や糸の太細により立体的に見えるのが特徴です。
伝統織物に用いる素材を使用しているだけではなく、背景の唐草文様の部分は、煌めきのあるレンズシートという素材を使っています。レンズシートは糸状に裁断し、伝統的な「引箔(ひきはく)」という技術で織り込んでいます。

*モチーフ: 青龍
*技術: 唐織
*組成: 絹:74%、分類外繊維(紙):20%、レーヨン:3%、ポリエステル:3%キュプラ:1%
BYAKKO
白虎:綴織 (西洋風)
綴織 ―西洋風 - 白虎 / 西
織物らしさを求め、ざっくりした西洋風の「綴織」で織り上げました。
フランスのゴブラン織と綴織は同種の織物で、絵や図柄を表現する織物としては最古の手法です。経糸の下に図案(織下絵)を置き、経糸の隙間から見える図案の形に従って、緯糸で絵を描くように織り込んでいきます。手作業で織り込むため色数に制限がなく、絵画の様な表現にすぐれています。
ゴブラン織は図柄の横から織られるのに対し、綴織は下から織るという違いもあります。 西洋的なイメージのある白虎は、西洋のゴブラン織の様に絵柄の横側から織り上げました。

*モチーフ: 白虎
*技術: 綴織(西洋風)
*組成: レーヨン:72%、綿:25%、他:3%(ナイロン、ポリエステル、紙)
SUZAKU
朱雀:綴織 (東洋風)
綴織 ―東洋風 - 朱雀 / 南
絵画的な緻密な表現に適した東洋風の「綴織(つづれおり)」を採用しています。
基本的に白虎で採用したと同じ「綴織」ですが、特に日本で発展した綴織は、グラデーション表現がより追求され、色と色の境目が美しく緻密であるという特徴があります。
朱雀は東洋的なイメージがあり、また、横方向に羽根を伸ばした図柄は下側から織り上げる方が技術的にも適するため、東洋風の綴織を採用し、緞帳や帯を織るように下側から織りました。

*モチーフ: 朱雀
*技術: 綴織(東洋風)
*組成: レーヨン:75%、綿:22%、他:3%(ナイロン、ポリエステル、紙)
GENBU
玄武:紋ビロードと刺繍
紋ビロード × 刺繍 - 玄武 / 北
「紋ビロード(もんびろーど)」は、パイル(ループ状の糸)と、カットパイル(ループ状の糸を裁断したもの)の表情の違いを活かした織物です。
パイル部は、緯糸と一緒に針金を織り込み、織作業完了後に針金を抜きとることで作られます。カットパイル部分は、織作業完了後に、緯糸と一緒に織り込んだ針金の上の糸をカットして作り、ベルベットのような風合いになります。糸がカットされることで糸の断面が現れるので、より濃い色になります。
玄武は、その神秘的な様相を表現するため、品格と華やかさを併せ持つ紋ビロードを採用、さらに刺繡を施して、より装飾的に表現しました。

*モチーフ: 玄武
*技術: 紋ビロード、刺繍
*組成: 絹:91%, レーヨン:3%, ポリエステル:3%, 分類外繊維(紙):3%
この織物は、季節や時間によって風景が変化していく様子を、表現しています。日本画の特徴である”ぼかし”のような表情になるように織設計で工夫を凝らしたほか、見る角度や光の当たり方によって表情(見え方)が変わる特殊な素材(多層構造の光彩フィルム)を使用し、多彩な表情を見せるグラデーション表現を追求しました。

*使用織機:ジャカード織機
*生地幅:145㎝
*組成:ポリエステル 100%
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