東京ショールームリニューアル記念 大阪・関西万博 迎賓館を彩ったタペストリーを特別展示(12/1~3/31)
川島織物セルコンは、大阪・関西万博において、国内外の賓客の接遇施設である迎賓館を彩るタペストリーを5点制作・協賛しました。このたび、東京ショールームリニューアルを記念し、現代美術作家・川人 綾氏デザイン・監修のもと、制作したタペストリー「CUT: C/U/T_CC-CM_I」 を2025年12月1日(月)~2026年3月31日(火)まで期間限定で特別展示しています。迎賓館は大阪・関西万博会期中、一般非公開であったため、皆さまにご覧いただける貴重な機会となります。

2025 / 綴織、綿、レーヨン / H200.0 x W900.0 cm / 制作・協賛:川島織物セルコン
Photo by Yuki Moriya 撮影:守屋友樹
川人 綾氏は、「制御とズレ」をテーマに、グリッド構造と色彩を用いた抽象的な絵画を制作されているアーティストです。京都で染織を学んだ経験と神経科学者の父の影響を背景に、視覚と認知の揺らぎに着目し、緻密な手仕事から生まれる微細なズレを「美しさ」としてとらえ、幾層にも塗り重ねた色彩が錯視的な感覚を引き起こすペインティング作品を発表されています。近年ではシャネルやロンシャンからのコミッションワークを手がけ、東京・銀座やウィーンの旗艦店に作品が常設されるなど、国内外で活躍の場を広げている注目の現代美術家です。
タペストリー「CUT: C/U/T_CC-CM_I」は、迎賓館内で国内外の賓客が食事をするダイニングルームにかけられました。1800色に染め分けた糸により緻密に織られており、織物ゆえ平面的であるものの屏風のような立体感を柔らかく感じさせる錯視効果があります。ぜひこの機会にご覧ください。
■東京ショールーム タペストリー特別展示 概要
| 会期 | 2025年12月1日(月)~2026年3月31日(火) |
| 時間 | 10:00~18:00 (予約不要) |
| 会場 | 川島織物セルコン 東京ショールーム 東京都江東区豊洲5-6-15 NBF豊洲ガーデンフロント 6階 |
| 休館日 | 水曜日(GW・夏期・年末年始) |
| お問合せ | 03-5144-3980(川島織物セルコン 東京ショールーム) |
■作品解説
川島織物セルコンの綴織はフランスのゴブラン織を参考に発展したが、明治になり日本画の顔料が多色使いへと改良研究されることを目の当たりにし、絵画を織物で表現することに心がけていた二代川島甚兵衞は、綴織に多色使いを取り入れ、独自の色暈し技法を確立した。
このように国家間の交流と独自の文化によって発展した「多色使い」をテーマにしたタペストリーは、大阪・関西万博の迎賓館に相応しいと考え制作した。1800色に染め分けた糸で織り上げた本作は緻密な織物であり、近くで見ると手作業や素材のぬくもりを感じる。その美しさとやわらかな錯視効果を通じ、世界を完全に把握することは不可能であるという事実を鑑賞者と感覚として共有したい。(川人 綾)

2025 / 綴織、綿、レーヨン / H200.0 x W900.0 cm
Photo by Yuki Moriya 撮影:守屋友樹
■ 川人 綾(AYA KAWATO) プロフィール

1988年奈良県生まれ。京都府在住。
神経科学者の父のもと、脳を通して世界を把握しているということを強く意識するようになる。京都で日本の伝統的な染織を学んだ後、パリ国立高等美術学校交換留学を経て、2019年東京藝術大学大学院先端芸術表現科博士後期課程修了。「制御とズレ」をテーマに、日本の伝統的な染織や現代の神経科学を背景にもつ、抽象的なグリッド状のペインティングを中心に制作している。近年展覧会は、東京オペラシティアートギャラリー、京都市京セラ美術館の他、パリやジュネーブでも開催。主なコレクションに、シャネル合同会社、東京藝術大学大学美術館。主な受賞歴に、2018年「野村美術賞2018」野村財団、2017年「2074、夢の世界グランプリ」コルベール委員会・東京藝術大学、 2016年 「第11回TAGBOAT AWARD 審査員特別賞 小山登美夫賞」 TAGBOAT。
公式WEB:https://ayakawato.com/
Instagram:https://www.instagram.com/ayakawato/
関連情報
川人 綾氏へのインタビューを当社HP「KAWASHIMA Stories」にて公開中
【前編】大阪・関西万博の迎賓館を彩る 現代アート×織物 ――現代美術家・川人綾がファブリックメーカーとの協働を語る
【後編】大阪・関西万博の迎賓館を彩る 現代アート×織物 ――現代美術家・川人綾がファブリックメーカーとの協働を語る