祇園祭 長刀鉾ご寄贈の 鷹山見送を製作しました
京都・祇園祭の長刀鉾保存会が鷹山保存会に、山鉾の背面を飾る懸装品(けそうひん)「見送」を寄贈され、2025年4月18日に長刀鉾の町内でお披露目されました。

1225(嘉禄元)年創建とされる長刀鉾が、今年誕生800年を迎えたことを記念し、2022年に196年ぶりに本格復帰した鷹山への復興支援として見送を贈られました。
寄贈された見送「鳳凰円紋額百子嬉遊図 綴織(ほうおうえんもんひゃくしきゆうず つづれおり)」は、大津祭の西王母山(せいおうぼざん)保存会が所有する中国製の見送「百子嬉遊図 綴織」をもとに製作されました。西王母山の町内に残る史料などから、鷹山が幕末の大火で焼失し、休み山となる以前に鷹山から西王母山が譲り受けた見送であることがわかり、これをもとに川島織物セルコンが約2年半をかけて復元新調しました。

右)新調幕 鮮やかな色彩や光輝く背景が蘇り、200年を超える年月を経て鷹山保存会に
復元新調された見送は、凧揚げや魚釣りなどをして遊ぶ唐子の様子とともに、子どもたちが官吏に立身出世し、親族や周囲の人々が繁栄するよう願いを込めたデザインです。現在、当社で生産する綴織の帯の多くは、1寸間(約3.03cm)の幅にタテ糸が約40本ですが、このたび復元新調した見送は1寸間(約3.03cm)にタテ糸50本とより細かな密度で、唐子の顔の表情などを繊細に織り上げました。


(右)製織の様子
長刀鉾保存会の井上代表理事は「祇園祭のますますの発展を願い、寄贈しました。新調した見送を大切に後世に伝えてほしい」とお話しになりました。鷹山の山田理事長は「長刀鉾保存会様に素晴らしい見送を贈っていただいた。また、西王母山保存会で長きにわたり護り繋いでいただいたことで、今回の復元新調することができた。さまざなな方々の尽力で叶ったこの見送を、後世に受け継ぎ、大切に所有していきたい」と喜びを表しました。

復元新調された見送は、今年の祇園祭の宵山で長刀鉾、鷹山の会所に飾られるほか、後祭 山鉾巡行で鷹山に掛けられます。