商品開発・事業での取り組み
製品ライフサイクルを考慮した環境配慮型商品・技術の開発を進め、地球温暖化防止への対策や、資源循環を促進する商品開発を推進しています。また、省エネ型設備を積極的に導入するなど、製造段階でエネルギー・資材ともに資源効率を向上させ、CO2排出量の削減と循環型社会の形成に寄与していきます。
地球温暖化防止のための温室効果ガス(CO2)排出の抑制
気象変動対策につながる新製品の開発を進めるために、原料から製品、その回収・再生に至るまでの一連の流れで、CO2排出量の削減に寄与する商品を拡充していきます。
- 再生可能エネルギーの利用拡大
-
置敷きビニル床タイルのグリーン電力による生産
置敷きビニル床タイル「リファインバックエグザ」の製造には風力や太陽光、バイオマスなど自然循環の中で生まれるエネルギー源で発電されたグリーン電力を採用。バイオマス発電のグリーン電力証書を購入し、製造工程で消費する電力に充当。製造時に発生するCO2排出量の削減に貢献しています。
- 製造工程
- ラミネート工程、カレンダー工程の2工程
- グリーン・エネルギー・マーク
-
製品製造時に消費する電力がグリーン電力で賄われている製品に付けられるマークで、グリーンエネルギー認証センターが制定しています。
資源の循環利用を促進
循環型社会の形成のため、資源循環を促進する商品の開発を推進します。リサイクル糸を利用したカーテン、カーペットを拡充していきます。
- 再生プラスチック利用商品の拡充
-
エコマーク認定のタイルカーペット
世界で問題となっている、廃棄魚網などから再生された水平循環型100%ナイロン糸とリサイクル材のバッキングを採用した、全点エコマーク認定品の床材「MODE STYLE」。
このような環境配慮型品の拡充により、海の環境汚染の拡大防止に寄与します。高いデザイン性と環境への取り組みが評価され、国際的に権威あるデザイン賞の一つ
「iF DESIGN AWARD 2020」を受賞しました。廃棄漁網などからリサイクルした100%再生糸
- エコニール
- アクアフィル社開発の再生糸を、多くのタイルカーペットに使用しています。
-
- リサイクルナイロン
- エコニール
- 100%リサイクルナイロン
- アクアフィル社が開発した、世界の沿岸地域において問題となっている廃棄漁網などから再生された水平循環型のリサイクル100%ナイロンです。
-
- REIMAGINE
- 持続可能な地球を目指し常に再考していきます。
- RESCUE
- 世界では漁網の廃棄による海洋汚水が深刻な状況であり、多くの生物が犠牲になっています。
- REMAKE
- 復活されたナイロンポリマーは、白色の再現ができ性能はバージン品と変わりません。
- REGENERATE
- 再生された廃ナイロンは、バージンナイロンに何度でもリサイクルすることができます。
- 広域認定取得によるケミカルリサイクル
-
オーダーカーテン・カーペットを回収・リサイクルする仕組みを導入しています。不要になったカーテン、カーペットを回収・粉砕したのち、循環再生利用認定のケミカルリサイクル手法で、CO2を発生させずに炭化水素油・ガス・炭素に再生します。インテリア業界では、2009年に川島織物セルコンが初めて広域認定を取得し確立した手法です。
- リサイクルで「エコマーク」取得
- カーテンシリーズ「FELTA」は、インテリア・カーテン業界で初めて回収・リサイクルの取り組みについて「エコマーク」を取得しました。回収リサイクルの対象となるカーテンには、洗濯絵表示ラベルに「川島織物セルコンリサイクルカーテンマーク」を付け、ご不要になったカーテンの適切な処置と有効活用を目指しています。
また、ウール素材のロールカーペットも、全てリサイクルでエコマークを取得しています。
- 循環型リサイクルシステム
-
2003年に開始した、開発・製造・施工・回収・再生まで一貫した循環システムによるエコプロジェクトです。廃PVC(ポリ塩化ビニル)リサイクル循環システム「e-RECYCLED」の実現により、回収された廃PVCをタイルカーペット・PVCタイルともに再資源化し、リサイクルバッキングとして使用、製造時のエネルギーとCO2を削減しています。このシステムの構築により、タイルカーペット・PVCタイルでエコマークを取得しました。また、エコリーフ環境ラベルにも積極的に登録しています。
- リファインバックエグザのCO2削減効果
- *1)リサイクルバッキングによるCO2削減量(エコリーフ環境ラベルより)
- *2)グリーン電力を使用することによるCO2削減量(2017年度実績より)
健康で安心な住空間の提供
住空間の環境を考え、健康に配慮した製品の開発を推進しています。
- クリーンで快適な室内環境づくり
-
光触媒を利用した環境改善機能「セリスト加工」
セリスト加工は、自然光のエネルギーを利用して、繊維上に付着した特定のウイルス数を減少させる機能で、加工が施された物を清潔に保つことができます。
また、アンモニア等の悪臭原因物質に対する消臭機能や、室内に継続的に放出されるVOC(揮発性有機化合物)の軽減機能も期待できます。環境適合型壁装システム「FAB-ACE」
接着剤を使用せずにファブリックの脱着が可能な壁装システムです。
壁紙と異なり、模様替え時にファブリックだけの交換で済み、再施工時の廃棄物の削減にもつながります。また、特殊取付け部材「ジョイナー」の開発により、接着剤を使用しないので、VOC(揮発性有機化合物)も発生せずシックハウスの心配もありません。接着剤が乾くまでの不快な臭いもなく、施工後すぐに部屋の使用ができます。
(不燃認定取得)抗ウイルス加工の目的は、繊維製品に付着したウイルスの数を減少させて清潔に保つことであり、病気の治療や予防を目的とするものではありません。また、抗ウイルス加工はウイルスの働きを抑制するものではありません。
製造工程でのCO2削減に向けて
製造工程で排出されるCO2の削減にも、積極的に取り組んでいます。
- 市原事業所での取り組み
-
市原事業所では、重油から都市ガスへの燃料転換・ボイラー施設の蒸気使用設備付近への移設・大型空調器の省エネ型への変更などにより電気・ガスの使用量の大幅削減を行い、CO2の削減に努めてきました。
今後、照明器具のLED化や製造方法の見直しなどでエネルギー利用にも取り組んでいきます。
- ゼロエミッションへの挑戦
-
製造工程では、廃プラスチック等を再利用するなどの取り組みを重ね、2007年からゼロエミッションを継続しています。
物流・縫製の工程では、製造工程で生じる生地のロスを用いてカーテンのサンプルやノベルティを作成するなど、廃棄物を有効に活用することで、資源循環を目指しています。- ゼロエミッションの定義
- ※ 廃棄物排出量=社外に持ち出した産業廃棄物及び事業系一般廃棄物
- ※ 社外リサイクル量=廃棄物排出量の内、埋立処分(単純焼却)せず再生利用・熱回収された量
安全・衛生と災害への取り組み
労働災害ゼロを目標に、安全衛生に関する課題の共有・協議を進め、グループ一体となって災害の未然防止と意識向上に努めています。
- 事業所での活動
-
事業所責任者による職場巡視
5S状況や、作業現場・作業状況を点検し、事業所責任者と従業員がコミュニケーションを取りながら、様々なリスクを抽出し是正を行っています。
リスクアセスメント活動
各職場でリスクアセスメントを実施し、リスクレベル低減のための改善に取り組んでいます。
グループ安全連絡会・研修会の実施
事業所間で持っている知識・技術、ノウハウ、活動事例の共有や、展開を行い、また、実行力のある安全担当者を育成し安全第一の風土づくりを目指します。