収蔵品のご紹介
作品選 Kawashima Selections
百花
【紋織/原画:
神坂雪佳/1908年(明治41年)/裂地:丈120×巾70cm】
紫陽花(あじさい)を中心とした絢爛(けんらん)たる百花の模様を数十色の彩糸を使用して織り出した豪華な美しさは、紋織物として比類ない美の頂点とも言うべきものです。従来、能装束などに使用されていた唐織に改良を加え、柔軟な風合いと雄大な模様の室内装飾織物として、製織されました。
この原画を制作したのは、装飾美術家である神坂雪佳(1866〜1942)です。雪佳は、日本画を学び琳派の研究を重ね装飾美術の重要性を認識し欧州の工芸図案を調査し、数多くの図案や作品を手掛けただけでなく装飾美術会の指導者として多いに貢献しました。雪佳の手掛けた百花の図案は大変好まれ、約100年を経た現在でも当社の様々な織物に使用されています。 |
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難波津
【御座所窓掛地/原画:川島織物/1902年(明治35年)】
これは第五回内国勧業博覧会会場に設けられた御座所の戸帳の緞帳、いわゆる窓掛地として製作された裂地です。この紋織物は、五枚朱子(しゅす)の絹織物で、二代川島甚兵衞は「大和織」と名付けています。織物の中程から下にかけて葦と青海波(せいがいは)を白・青・黄土色でまとめ、上方の梅花は白・淡青・青・淡紫・紫・淡黄・黄・淡黄土・黄土・桃・濃臙脂の各色を切り替え、梅の幹の淡青と全面に通る金箔糸を含めて、計17色もの色別で織った織物です。この裂地は博覧会の前年に織り上がりましたが、これだけの広幅で丈長の紋織物を手織で織りこなすには、現代でも特殊な機装置と高度な技術を要します。特に、123cmの広幅に金箔を通すには大変な技術を要します。 |
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葵祭
【唐織掛軸本極織/原画:藤島清漣/1885年(明治18年)/丈245×巾76cm】
葵祭は、古く飛鳥時代に起源をもつといわれる京都の上賀茂神社と下鴨神社の祭礼です。作品は、遠近法を採り入れジグザグにすることで祭礼行列の長蛇の様子を表現しています。また掛軸の形式を取り入れながらも、本紙と上下や中廻しなどを含めた一枚の織物として織り上げています。
近代日本に於ける美術織物の黎明期に織られたこの作品は、1885年(明治18年)に東京で開催された五品(ごしな)共進会(きょうしんかい)に出品され当時の農商務大臣品川弥二郎子爵の称賛を受けました。
この作品は、若き日の二代川島甚兵衞が、最初にヨーロッパへ外遊する契機となった記念すべき作品で、甚兵衞が幼少の頃より培ってきた美術織物への情熱と研究成果、創意工夫の全てが注ぎ込まれています。 |
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紫陽花双鶏
【壁面装飾綴織/原画:伊藤若冲/模写:奥田瑞寛 他】
【1904年(明治37年)/丈187×巾352cm】
伊藤若冲が描いた繊細な筆の表現を模写し、忠実に描き込んだ織下絵を写し取るように綴織で織り成しています。 様々な過程と月日を掛けて完成した綴織は、絵画にはみられない織物独特の立体感と風合いをかもしだし、四方八方へと広がる繊細なグラデーションを、綴の暈(ぼか)し技法を縦横無尽に駆使し織り上げています。また雄鶏が今にも飛び出して来るような躍動感も見事に表現し、観る者を魅力ある織りの世界へ誘います。 |
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群犬
【綴試織/原画:竹内錬太郎/1900年(明治33年)/丈81×巾208cm】 |
1900年のパリ万国博覧会に出品した綴織額「群犬」は、日本の伝統の綴織技術が、指頭の芸術と呼ばれるほど、精巧緻密な表現ができることを西欧の人々に知らせる目的で製作されました。作品は油絵の原画と寸分違わぬ表現を試み、ゴブラン織の本家であるフランスの人々からも賞賛され、万国博覧会ではグランプリ受賞に輝きました。
その後、宮内庁に納められイギリス王室に贈られたと伝えられています。この作品は、博覧会に出展した完成作品の2分の1下部を試織した織物です。 |
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都名所
【加良織刺繍能装束/原画:桜井光雲/1983年(昭和58年)】
都名所は、文様の題材を『古今和歌集』の素性(そせい)法師(ほうし)の歌からとっています。「見わたせば柳桜をこきまぜてみやこぞ春のにしきなりけり」
紅地に金箔の柳を全面に通し、十色からなる桜花の縫い取りを随所に散らして、それに無地の色紙を配し、地の部分を織っています。この無地の色紙に京洛の名所図絵37景を刺繍(ししゅう)で仕上げた豪華な装束です。
都名所をはじめて製作したのは明治時代のことです。1900年(明治33年)に製作された能装束は東京国立博物館に収蔵されています。
文化館に保管されている能装束「都名所」は、紋織(もんおり)技術と刺繍技術の伝承を目的に、明治33年に製作された作品を1983年(昭和58年)創業140周年記念に復元したものです。 |
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湊川合戦
【綴錦壁掛/原画:守住勇魚・澤部清五郎/1920年(大正9年)】
1336年(建武3年)5月、足利尊氏と楠木正成は兵庫の湊川で激戦を繰り広げました。この南北朝時代初期の躍動的な武装騎馬群の合戦の様相を、克明に描き精巧極まりない綴織で製作されました。当時、欧米諸国に広まっていた極めてリアルな戦闘描写の影響がうかがえる珍しい状景といえましょう。
画面の本紙部分の原画は、住吉派の大家、守住貫魚(もりずみつらな)(1809〜1892)の次男で、日本画だけでなく西洋画をも習得した守住勇魚(1854〜1927)が制作したものです。合戦の様子でありながらも血生臭い表現は一切用いられていません。また壁掛のボーダーは兵庫県の風景でしょうか、のどかな様子が表現されています。これは、勇魚からも絵画の指導を受けた澤部清五郎(1884〜1964)が制作したものです。 |
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檜扇紋様
【繻子地/原画:久保田米遷/1886年(明治19年)/丈303×巾70cm】
かねてより川島の織物に注目していた品川弥二郎子爵が、明治19年に駐独特命公使としてベルリンに赴任する際、ドイツ皇室に献上するため川島に織物を依頼しました。それが檜扇紋様です。作品を高く評価した品川子爵の推薦で二代川島甚兵衞のヨーロッパ外遊が実現しました。
この作品はヨーロッパに目を向けた甚兵衞が、日本式室内装飾様式の確立へ向かうエポックとなったもので、扇面に花鳥をデザインした極めて精巧な織物は、フランスのゴブラン織に匹敵すると称されました。
現在、この織物はベルリンの美術工芸博物館に所蔵されていますが、サンプルとして製作された数点の織物は、今なお川島織物文化館で大切に保存されています。
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古代裂 KODAI-GIRE
| 名称 |
フリガナ(説明) |
時代 |
時期 |
大きさ |
| 雑色段綺 |
ぞうしきだんかんはた |
飛鳥時代〜奈良時代 |
7世紀〜8世紀 |
3×6cm |
| Plain weave |
Design of horizontal bands |
Asuka-Nara period |
7th-8th century |
| 黄地葱花山形十字段文綴錦 |
きじねぎはなやまがたじゅうじだんもんつづれにしき |
飛鳥時代 |
7世紀 |
5×31cm |
| Tsuzure nishiki |
Design of onion flowers,mountain pattern and crosses |
Asuka a period |
7th century |
| 樹皮色織成 |
じゅひしょくしょくせい |
奈良時代 |
8世紀 |
8×5cm |
Shokusei
(variety of tapestry weave) |
Tree bark color |
Nara period |
8th century |
焦茶地霞襷花鳥文臈纈 |
こげちゃじかすみたすきかちょうもんろうけちあしぎぬ |
飛鳥時代〜奈良時代 |
7世紀〜8世紀 |
6×9cm |
| Rokechi(wax-resist dyeing) |
Design of mist,flower and birds on plain weave groud |
Asuka-Nara period |
7th-8th century |
| 絣錦・太子間道 |
かすりにしきたいしかんどう |
飛鳥時代〜奈良時代 |
7世紀〜8世紀 |
12×6cm |
| Taishikando(ikat weave) |
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Asuka-Nara period |
7th-8th century |
| 小格子花文蜀江錦 |
こごうしかもんしょっこうにしき |
飛鳥時代 |
7世紀 |
7×6cm |
| Warp compound figured weave |
Design of lattice pattern with floral patterns |
Asuka a period |
7th century |
| 山菱文錦 |
やまびしもんにしき |
飛鳥時代 |
7世紀 |
8×4cm |
| Welft compound figured weave |
Design of lozenges |
Asuka a period |
7th century |
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外国裂 GAIKOKU-GIRE
●中国裂
古代から中国には広大な土地を支配した国家がつぎつぎに盛衰を繰り返し、活発な東西文化の交流を行なった。染織においても異国情緒豊かな意匠やすぐれた技法の発展がみられた。
これら中国の織物は日本の染織品に極めて大きな影響を与えた考えられている。
●コプト裂
「コプト裂」とは、エジプト地方砂漠から出土する染織遺品のことで、古代エジプトのキリスト教徒によって製織されたものである。特に3〜6世紀ごろのコプト裂は現存する遺品や資料も多く、世界の染織の一つの原点となっている。
●ペルシア・インド、ヨーロッパ裂
| 名称 |
フリガナ(説明) |
時代 |
時期 |
大きさ |
| 花卉鳥文綴織 |
かきちょうもんつづれおり |
エジプト産 |
10世紀 |
10×26cm |
| Tapestry weave |
Design of bird and floaral pattern. |
Coptic |
10th century |
| 輪繋草花文綴織 |
わつなぎそうかもんつづれおり |
エジプト産 |
4世紀 |
22×16cm |
| Tapestry weave |
Design of flowering plants in meandering circles. |
Coptic |
4th century |
| 龍鳳梅椿文錦 |
りゅうほうばいちんもんにしき |
中国産 |
16世紀 |
35×47cm |
| Welf compound figured weave with gold. |
Design of dragons,phoenixes,plum blossoms and camellias. |
Chines. |
16th century |
| 雑色段草花文鏡付繍 |
ぞうしきだんそうかもんかがみつきぬい |
インド産 |
18世紀 |
31×40cm |
| Embroidery with mirror work |
Design of flowering and stripes. |
Indian. |
18th century |
| 木爪形繋花葉文絹繍 |
もっこうがたつなぎかようもんきぬぬい |
ペルシア産 |
19世紀 |
44×21cm |
| Embroidery |
Design of flowers and leaves in fourlobed circles. |
Persian |
19th century |
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装束 SHOZOKU-GIRE
●有職裂
有職裂は公卿の公事儀式官制服飾調度などの例を定めた有職故実に従った装束の裂地であり、上代の染織品の影響を受け、平安時代に完成されたもので、ここに掲載した裂は江戸時代に製織されたものである。
●能装束裂
日本古来の伝統芸能である「能」を華麗に彩る能装束は室町時代に端を発し武家式楽として将軍家や諸大名に庇護され、桃山・江戸時代に完成した日本独自の様式美をもった染織品である。
| 名称 |
フリガナ(説明) |
時代 |
時期 |
大きさ |
| 獅子蜻蛉文繍箔 |
ししとんぼもんぬいはく |
安土桃山時代 |
16世紀 |
35×34cm |
| Embroidery with gold leaf imprint |
Design of lion and dragonflies |
Momoyama period |
16th century |
| 秋草色紙文絽 |
あきくさしきしもんろ |
江戸時代中期 |
18世紀 |
62×51cm |
| Ro gause weave |
Design of autumn grasses and shikishi papers |
Middle Edo period |
18th century |
| 鳥襷文 |
とりだすきもん |
江戸時代後期 |
19世紀 |
11×16cm |
| Twill damask |
Design of interlocking circles with magpie. |
Late Edo period |
19th century |
| 水葵文唐織 |
みずあおいもんからおり |
江戸時代中期 |
18世紀 |
31×36cm |
| Brocade |
Design of mizuaoi plants |
Middle Edo period |
18th century |
| 石畳草花文唐織 |
いしだたみそうかもんからおり |
江戸時代中期 |
18世紀 |
48x34cm |
| Brocade |
Design of floral and other patterns in checkers |
Middle Edo period |
18th century |
| 雪輪芒文描絵 |
ゆきわすすきもんかきえ |
安土桃山時代 |
16世紀末期 |
29×23cm |
| Painting |
Design of snow-flake pattern and euralia |
Momoyama period |
16th century |
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衣装 ISHO-GIRE
●小袖
平安時代以降、日常の衣裳として着用された小袖は、桃山・江戸時代に完成された。日本独自の様式美を持つもので現代の着物の原形を成したものである。
| 名称 |
フリガナ(説明) |
時代 |
時期 |
大きさ |
| 大太鼓模様友禅 |
だだいこもようゆうぜん |
江戸時代中期 |
18世紀 |
25×28cm |
| Fragment of kosode dress |
Design of inflamed drum in yuzen dyeing |
Middle Edo period |
18th century |
| 菊花七宝繋文素縫 |
きっかしっぽうつなぎもんすぬい |
江戸時代初期 |
17世紀 |
31×20cm |
| Embroidery |
Design of chrisanthemum blossoms and interlocking circles |
Early Edo Period |
17th century |
| 桜撫子霞文繍箔 |
さくらなでしこかすみもんぬいはく |
江戸時代初期 |
17世紀 |
34×21cm |
| Embroidery with gold leaf imprint |
Design of cherry blossoms,wild pink flowers and mist |
Early Edo Period |
17th century |
| 鉄線花唐草文繍 |
てっせんかからくさもんぬい |
江戸時代初期 |
17世紀 |
31×33cm |
| Embroidery |
Design of clematis scroll |
Early Edo Period |
17th century |
| 宝尽扇面模様素縫 |
たからづくしせんめもようすぬい |
江戸時代後期 |
19世紀 |
29×12cm |
| Embroidery |
Design of treasures and fans |
Late Edo period |
19th century |
| 宝尽松竹梅模様素縫 |
たからづくししようちくばいもようすぬい |
江戸時代後期 |
19世紀 |
158×35cm |
| Embroidery |
Design of treasures,pines,bamboos and plums. |
Late Edo period |
19th century |
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